機能ガラス
開口部の安全設計指針 ~安全設計の方法について~
- 安全設計の必要性
安全設計が必要とされる建築物とその部位部位 居住専用の部分(住宅) その他部分(非住宅) 出入口及びその隣接部 出入口のドア(1) 床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス 出入口のドア周辺(2) 実用化には継続した開発が必要だが、「気中溶解技術」などの抜本的な省CO2溶融技術の開発は各社で進められている。
需要が増大している、合わせガラスの使用後の板ガラス原料リサイクルを容易にするための技術を3社で共同開発し、運用している。ドアの端辺から水平方向に120cm未満の範囲に一部または全部が含まれ、かつ床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス。 出入口のドア周辺(2) ※ただし、そのガラスと出入り口との間が、恒久的な間仕切り壁で仕切られているときなどのように、出入り口との間に連続したガラス面を構成しないときは、のガラスは対象となりません。 その他の開口部 一般 床面から30cm未満の高さに下辺があるガラス。 床面から45cm未満の高さに下辺があるガラス。 浴室、学校など 床面から60cm未満の高さに下辺があるガラス
その他の開口部(3)でも、特に浴室(裸である)、学校(子どもが遊ぶ)などのガラスは、(1)や(2)と同様に危険性が高いと判断しています。 - 設計衝突力の設定
人は、どれくらいの強さでガラスに衝突するのか
この指針は、人がガラスに衝突したときの、その衝突力を45kgのショットバッグと呼ばれる試験器具の落下高さに置き換え、設計衝突力(単位=H)として表しています。
この試験器具は、アメリカの安全基準設定に初めて採用されたもので、日本でもJISの試験に同じ手法が用いられています。
人の衝突力は、年齢と歩行・走行・転倒などの行動によって異なります。設計衝突力とは、この強弱を45kgショットバッグの落下高さに換算して示したものです。(参考)ショットバッグ試験とは、どのようなものか
45kgショットバッグ試験とは、アメリカの安全基準(ANSIZ97.1)に初めて採用されました。
日本でも、JIS R3205(合わせガラス)、JIS R3206(強化ガラス)の試験に同じ方法が規定されています。設計衝突力はその建築物をよく利用する人の年齢や行動パターンを分析して設定されています。
建築物の用途別の設計衝撃力(45kgショットバッグの落下高さ:H) 建築物 出入口及びその隣接部 その他の開口部 1 a)集会場などのロビーなど 120cm(H) 75cm(H) b)百貨店、展示場などの通路、休憩所など 120cm(H) 75cm(H) c)学校、体育館など:幼稚園など 30cm(H) 30cm(H) c)学校、体育館など:小中高等学校 120cm(H) 120cm(H) d)浴室など 75cm(H) 75cm(H) 2 a)事務所、店舗などの玄関周りなど 120cm(H) 75cm(H) b)病院、ホテル、共同住宅などの共用部分 120cm(H) 75cm(H) c)病院、養老院などの居室 75cm(H) 75cm(H) d)住宅、共同住宅、ホテルなどの居室 30cm(H) 30cm(H) (*)「出入り口の隣接部」とは、ドアや戸などの出入り口に隣接している部分の事です。
住宅では、出入り口から30cm未満、その他の非住宅では出入り口から120cm未満の範囲にあるガラス開口部を指します。 - 安全設計の必要性が高いとされる建築物(具体例)
- 1. 傷害発生の頻度、傷害の程度、建築物の公共性等から考えて緊要度が高く、安全設計が
求められているものショッピングセンター スーパーマーケット 百貨店 パチンコホール ゲームセンター 競馬場 劇場・演芸場 市民会館 コンサートホール 公会堂 展示場 映画館 などのロビーや休憩所、出入り口、通路、階段周り、外部に面する窓など。
幼稚園 保育所 小学校 中学校 高等学校 スポーツ施設 などの出入り口、通路、階段周り、ホール、体育館、外部に面する窓など。
浴室 シャワー室 - 2. 緊要度が1.に次ぎ、安全設計が望まれるもの
事務所 店舗 コンビニエンスストア などの玄関周り、出入り口、通路、階段周り、外部に面する窓など。
一般住宅 の玄関周り、居室など。
- 1. 傷害発生の頻度、傷害の程度、建築物の公共性等から考えて緊要度が高く、安全設計が
- 安全設計指針への配慮は施主・設計士・施工者の責任です
- この指針は法令と考えていいのですか?
- この「ガラスを用いた開口部の安全設計指針」は建築基準法などの法令ではありません。
しかしながら、建設省は上記指針の利用・普及を通達で求めています。したがって、万が一事故が発生してしまったとき、この指針が示す安全設計への配慮の有無は、建築物の欠陥の有無、事故を防止する注意義務の一つの指標になりえます。
上記安全指針は、現在普及活動に伴い公知の事実となっていると思われるので「知らなかった」「説明されなかった」という弁解では済まされないことがあります。 - 万が一、ケガをした人が訴えた場合、誰の責任になるのでしょうか?
- 一概には言えませんが、まず責任を問われるのは「建築物の占有者・所有者」として、施主の責任が問われることが多いようです。
次に建築資材、部材の選定は、施主が行うことはまれであり、通常設計士・施工者によっています。そうすると設計士・施工者もケガをした人から直接、事故防止の注意義務違反の責任を問われたりすることもあります。
なお、施主が「建築物の占有者・所有者」として責任があり、賠償責任を履行した場合、後日施主から設計士・施工者に対し建築資材・部材の選定の注意義務違反として賠償責任の求償がなされることもあります。(監修:小山香弁護士)
- ガラスの種類
強化ガラス- 普通の板ガラスを約700℃に加熱した後、急速に冷やしてつくった安全ガラス。
通常の板ガラスの3~5倍の強度を持ち、万一割れても破片が粒状になるため人体に深いキズを与えません。
安全マーク(シール)については、安全・安心ガラス設計施工指針(財団法人日本建築防災協会)に従い貼付されておりますが、安全マーク(シール)は必ず貼付されるものではなく、板硝子協会加盟3社各社で定めた貼付ルールにて運用されております。詳細は各社にお問合せください。
- 2枚のガラスの間に透明で強靭な中間膜をはさみ、熱と圧力で完全に接着させた安全ガラス。
たとえ割れても破片が飛び散らず、また衝撃物が貫通しにくいのが特徴です。
安全マーク(シール)については、安全・安心ガラス設計施工指針(財団法人日本建築防災協会)に従い貼付されておりますが、安全マーク(シール)は必ず貼付されるものではなく、板硝子協会加盟3社各社で定めた貼付ルールにて運用されております。詳細は各社にお問合せください。
- 普通の板ガラスを約700℃に加熱した後、急速に冷やしてつくった安全ガラス。
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- 防犯ガラス
- 板硝子協会推奨基準
- CO2削減に関する調査・提言